説明

ビニルイミダゾール類の光異性化方法

【課題】ビニルイミダゾール類の光異性化を迅速に行うこと。
【解決手段】密閉容器2内にマイクロ波が照射されることによって紫外線を発光するガス3が封入された紫外線を全方位に向けて出射する無電極の紫外線光源1を、ビニルイミダゾール類の水溶液4中に配置し、前記水溶液4中の紫外線光源1に対して水溶液4の外部からマイクロ波を照射することにより、ビニルイミダゾール類を、紫外線光源1から出射される紫外線によって光異性化すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビニルイミダゾール類の光異性化方法に係り、特に、紫外線照射によるビニルイミダゾール類の光異性化に好適なビニルイミダゾール類の光異性化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、皮膚角層中に存在するトランス(trans)−ウロカニン酸は、紫外線暴露による光異性化によってシス(cis)−ウロカニン酸に変換され、変換されたシス−ウロカニン酸は、その免疫抑制作用によって皮膚を防御することが知られている。
【0003】
ここで、ある種のアトピー疾患や炎症皮膚は、ウロカニン酸の代謝前駆物質であるフィラグリンやヒスチジンの不足ないし欠損によってウロカニン酸が産生されないことが原因ともいわれており、シス−ウロカニン酸は、このような疾患の治療や予防への効能が期待されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2006−520369号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のように、シス−ウロカニン酸は、トランス体への紫外線照射による光異性化によって発生することは知られているが、このようなシス−ウロカニン酸を迅速に製造するための実用的な方法は依然として確立されていない。一般に、紫外線照射による光化学反応には、水銀ランプが設置された化学反応装置が用いられるが、このような化学反応装置は、透明均一溶媒系以外では反応原料への均一かつ効率的な目的紫外線暴露量を確保することが困難であるため、シス−ウロカニン酸の製造にそのまま適用したとしても迅速な製造は期待できない。
【0006】
そこで、本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、ビニルイミダゾール類の光異性化を迅速に行うことができるビニルイミダゾール類の光異性化方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するため、本発明に係るビニルイミダゾール類の光異性化方法は、密閉容器内にマイクロ波が照射されることによって紫外線を発光するガスが封入された前記紫外線を全方位に向けて出射する無電極の紫外線光源を、ビニルイミダゾール類の水溶液中に配置し、前記水溶液中の前記紫外線光源に対して前記水溶液の外部からマイクロ波を照射することにより、前記ビニルイミダゾール類を、前記紫外線光源から出射される紫外線によって光異性化することを特徴としている。
【0008】
そして、このような方法によれば、紫外線光源によってビニルイミダゾール類の水溶液に紫外線を効率的に照射することができるので、ビニルイミダゾール類の光異性化を迅速に行うことができる。
【0009】
また、前記紫外線光源を前記水溶液とともに反応容器内に収容した第1の環境または前記水溶液を循環流路内において循環させるとともに前記紫外線光源を前記循環流路内の所定の光源配置位置に配置した第2の環境の下で、前記水溶液に対する前記紫外線光源を用いた紫外線の照射を行ってもよい。
【0010】
そして、このような方法によれば、反応容器または循環流路内において、ビニルイミダゾール類の光異性化を迅速に行うことができる。
【0011】
さらに、前記第2の環境の下で前記水溶液に対する前記紫外線の照射を行う場合に、前記光源配置位置における前記水溶液の温度が前記ビニルイミダゾール類の光異性化の促進に適した所定温度になるように前記水溶液を所定の冷却位置において冷却してもよい。
【0012】
そして、このような方法によれば、ビニルイミダゾール類の水溶液を循環流路内に循環させて光源配置位置における光異性化を繰り返す場合に、当該水溶液の冷却によって当該水溶液の光源配置位置における温度を光異性化の促進に適した所定温度に制御することができるので、当該水溶液を光源配意位置において迅速に光異性化することができる。
【0013】
さらにまた、前記密閉容器の形状を、球状、楕円球状、カプセル形状、棒状または平板状等に形成してもよい。
【0014】
そして、このような方法によれば、紫外線光源の外形を反応容器内または循環流路内への配置に適した簡易な形状にすることができる。
【0015】
また、本発明に係るビニルイミダゾール類の光異性化方法は、ビニルイミダゾール類の水溶液を紫外線照射による前記ビニルイミダゾール類の光異性化の促進に適した所定温度に制御しつつ、前記水溶液に紫外線光源を用いて紫外線を照射することを特徴としている。
【0016】
そして、このような方法によれば、ビニルイミダゾール類の水溶液を光異性化の促進に適した温度に制御することができるので、ビニルイミダゾール類の光異性化を迅速に行うことができる。
【0017】
さらに、前記ビニルイミダゾール類は、次の構造式
【化1】

で示されるイミダゾールアクリル酸誘導体であってもよい。
【0018】
そして、このような方法によれば、イミダゾールアクリル酸誘導体の光異性化を迅速に行うことができる。
【0019】
さらにまた、前記ビニルイミダゾール類は、ウロカニン酸のトランス体であり、前記光異性化によってウロカニン酸のシス体を得てもよい。
【0020】
そして、このような方法によれば、ウロカニン酸のシス体を迅速に製造することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ビニルイミダゾール類の光異性化を迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係るビニルイミダゾール類の光異性化方法の実施形態において、紫外線光源の一例を示す図
【図2】本発明に係るビニルイミダゾール類の光異性化方法の実施形態において、マイクロ波を照射する第1の環境を示す図
【図3】本発明に係るビニルイミダゾール類の光異性化方法の実施形態において、マイクロ波を照射する第2の環境を示す図
【図4】本発明に係るビニルイミダゾール類の光異性化方法の実施例において、トランス−ウロカニン酸のシス化を示す概念図
【図5】本発明に係るビニルイミダゾール類の光異性化方法の実施例において、光異性化試験の試験結果を示すグラフ
【図6】本発明に係るビニルイミダゾール類の光異性化方法の実施例において、第1の補足的な光異性化試験の試験結果を示すグラフ
【図7】本発明に係るビニルイミダゾール類の光異性化方法の実施例において、第2の補足的な光異性化試験の試験結果を示すグラフ
【図8】本発明に係るビニルイミダゾール類の光異性化方法の実施例において、第3の補足的な光異性化試験の試験結果を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係るビニルイミダゾール類の光異性化方法の実施形態について、図1乃至図8を参照して説明する。
【0024】
本実施形態の光異性化方法は、ビニルイミダゾール類として、以下の構造式で示されるイミダゾールアクリル酸誘導体としてのトランス−ウロカニン酸を光異性化すなわちシス化する方法である。
【化1】

【0025】
具体的には、本実施形態においては、トランス−ウロカニン酸を光異性化するために、図1に示すような紫外線光源としての無電極ランプ1を用いる。
【0026】
この無電極ランプ1は、中空の密閉容器2の内部に、マイクロ波が照射されることによって励起されて紫外線を発光する放電ガス3が封入されることによって形成されている。この無電極ランプ1は、放電ガス3によって発光した紫外線を、密閉容器2の全表面を通るようにして全方位に向けて出射するようになっている。
【0027】
なお、放電ガス3は、安価かつ人体や環境への影響が少ない窒素(N)と、アルゴン(Ar)およびヘリウム(He)の少なくとも一方とが混合されたものであることが好ましい。ここで、窒素は、放電開始電圧が高いため発光し難い一方で、アルゴンおよびヘリウムは不活性ガス(希ガス)であるため、それ自体が放電しやすく、一度放電すると他の原子にエネルギを与えることができる。そして、窒素の電離電圧は、アルゴンおよびヘリウムのそれよりも低いため、アルゴン/ヘリウムの放電により、窒素を容易に放電・発光させることができる(ペニング効果)。すなわち、アルゴンまたはヘリウムは、窒素の発光を補助する役割を担うことになる。また、この場合に、窒素とアルゴン/ヘリウムとの混合比やこれらのガスによる密閉容器2の内部圧力は、コンセプトに応じて好適な値を選択すればよい。
【0028】
また、密閉容器2は、石英ガラスやポリテトラフルオロエチレン(テフロン:登録商標)等の、防水性に優れ、なおかつマイクロ波および紫外線の透過率が高い材料によって形成することが望ましい。なお、密閉容器2の形状は、図1に示すような円筒形状の両端が半球形状に形成されたカプセル形状であってもよいし、また、これ以外にも、球状、楕円球状、棒状または平板状等であってもよい。
【0029】
そして、本実施形態においては、このような無電極ランプ1を、トランス−ウロカニン酸の水溶液中に配置した上で、この水溶液(以下、ウロカニン酸水溶液と称する)中の無電極ランプ1に対して、ウロカニン酸水溶液の外部からマイクロ波を照射する。
【0030】
ここで、このようなマイクロ波を照射する環境としては、次の第1の環境および第2の環境を例示することができる。
【0031】
まず、第1の環境は、図2に示すように、無電極ランプ1を、ウロカニン酸水溶液4とともに反応容器5内に収容した環境である。この反応容器5としては、マイクロ波の透過性に優れた公知の好適な材質(例えば、石英ガラス等)からなるものを使用すればよい。なお、図2においては、無電極ランプ1およびウロカニン酸水溶液4が収容された反応容器5を、マグネトロン発振器6および導波管7を備えた反応室8内に配置している。このような第1の環境においては、マグネトロン発振器6から出力されたマイクロ波を、導波管7を介して反応容器5側に導いた上で、反応容器5内の無電極ランプ1にウロカニン酸水溶液4の外部から照射することができる。
【0032】
一方、第2の環境は、図3に示すように、ウロカニン酸水溶液4を循環流路10内において循環させるとともに、光源配置位置としての循環流路10内の所定のランプ配置位置に無電極ランプ1を配置した環境である。循環流路10としては、マイクロ波の透過性に優れた好適な材質(例えば、石英ガラス等)からなるものを使用することが望ましい。なお、図3においては、循環流路10内に、無電極ランプ1を上流側および下流側から挟む網状の一対のランプ支持部材11,12を配置し、これらランプ支持部材11,12によって、ウロカニン酸水溶液4の流動を許容しつつランプ配置位置を確保している。また、図3においては、循環流路10の上流端と下流端との間にウロカニン酸水溶液4の貯留タンク14を配置している。さらに、図3においては、循環流路10の上流端近傍に、貯留タンク14内のウロカニン酸水溶液4を循環流路10内に循環させるポンプ15を配置している。ここで、貯留タンク14内に貯留されたウロカニン酸水溶液4は、ポンプ15によって循環流路10内を循環した後に再び貯留タンク14内に貯留され、その後再びポンプ15によって循環流路10内を循環することを繰り返すことになる。さらにまた、図3においては、循環流路10におけるランプ配置位置の外側に、導波管7およびマグネトロン発振器6を配置している。このような第2の環境においては、マグネトロン発振器6から出力されたマイクロ波を、導波管7を介して循環流路10側に導いた上で循環流路10内の無電極ランプ1にウロカニン酸水溶液4の外部から照射することができる。
【0033】
そして、このようにして無電極ランプ1にマイクロ波が照射されると、前述のように、無電極ランプ1内の放電ガス3が励起されて全方位に向けて紫外線が出射される。これにより、無電極ランプ1の周囲のウロカニン酸水溶液4に対して紫外線を満遍なく照射することができ、ウロカニン酸水溶液4を効率的かつ迅速に光異性化することができる。
【0034】
ところで、ウロカニン酸水溶液4にマイクロ波を照射する際には、このマイクロ波のエネルギによってウロカニン酸水溶液4が加熱されて温度上昇が生じることになる。また、後述のように、本発明者は、ウロカニン酸水溶液4の温度がトランス−ウロカニン酸の光異性化の速度に与える影響を検証し、温度がある程度低い方がトランス−ウロカニン酸の迅速な光異性化に適することを見出した。
【0035】
そこで、前述した第2の環境の下でマイクロ波照射を行う場合には、ランプ配置位置におけるウロカニン酸水溶液4の温度がトランス−ウロカニン酸の光異性化の促進に適した所定温度になるように、ウロカニン酸水溶液4を所定の冷却位置において冷却することが望ましい。この冷却位置は、循環流路10上におけるランプ配置位置または、これに対する上流側の位置であってもよく、あるいは、貯留タンク14であってもよい。また、冷却方法としては、氷冷や水冷等の公知の冷却方法を用いればよい。さらに、このような温度制御のために、ランプ配置位置に、ウロカニン酸水溶液4の温度を測定するための公知の温度測定手段の配置をともなってよいことは勿論である。さらにまた、このような温度制御は、手動作業を介した制御であってもよいし、コンピュータを用いた自動制御であってもよい。
【0036】
このようにすれば、ウロカニン酸水溶液4を循環流路10内において循環させてランプ配置位置における光異性化を繰り返す場合に、マイクロ波による加熱にかかわらず、ランプ配置位置におけるウロカニン酸水溶液4の温度を前記光異性化の促進に適した所定温度に制御することができるので、ウロカニン酸水溶液4をより迅速に光異性化することができる。
【実施例】
【0037】
次に、本実施例においては、図3に示した本発明の方法を用いたウロカニン酸水溶液の光異性化試験を行った。この際に、ウロカニン酸水溶液300mLを、ポンプ15を用いて毎分460mLの流速で循環流路10内を循環させつつ、無電極ランプ1を用いて図4に示すような光異性化を繰り返し行った。また、このとき無電極ランプ1としては、定格電力が100Wのものを用いた。
【0038】
また、比較例として、ウロカニン酸水溶液30mLを反応容器内に溜めた上で、市販の水銀ランプによって反応容器内のウロカニン酸水溶液に紫外線を照射することにより、従来の方法を用いた光異性化試験を行った。このとき、水銀ランプとしては、定格電力が200Wのものを用いた。
【0039】
なお、無電極ランプ1は、水銀ランプに比べて光強度(光の強さ)が1.4倍であった。
【0040】
そして、これらの試験結果は、図5に示すようになった。
【0041】
図5に示すように、本発明の方法によれば、マイクロ波の照射開始から5分でシス−ウロカニン酸の濃度が最大値0.05mM(ミリモーラ)に達するのに対して、従来の方法では、同濃度に達するまで10分の照射時間を要することが分かる。なお、シス−ウロカニン酸の濃度は、高速液体クロマトグラフィー等の公知の濃度測定手段を用いて測定することができる。また、本発明の方法によれば、従来の方法に比べて10倍の体積のウロカニン酸水溶液に2倍の速度で光異性化を行うことができることが分かる。単位体積に換算すれば、本発明の方法が、従来の方法に比べて20倍も光異性化効率に優れているということができる。また、本発明の方法によれば、このような効率的な光異性化を低消費電力で行うことができる。
【0042】
次に、図3に示した本発明の方法を用いた第1の補足的な試験として、ランプ配置配置におけるウロカニン酸水溶液の温度の条件(反応温度)を異ならせた光異性化試験を行った。ただし、無電極ランプ1によって出射される紫外線の光の強さ(光強度)は一定とした。そして、この試験の結果は図6に示すようになった。
【0043】
図6に示すように、シス−ウロカニン酸の濃度が0.05mMとなるまでに要するマイクロ波の照射時間は、反応温度が2℃の場合が20分であるのに対して、反応温度が20℃および100℃の場合には30分以上となることが分かる。このことから、図6の各反応温度の中では、ウロカニン酸水溶液の迅速な光異性化に最適な反応温度は2℃であるといえる。
【0044】
なお、この検証結果を受けて、前述のようなウロカニン酸水溶液を冷却する方法を採用する場合には、ウロカニン酸水溶液の目標温度(所定温度)を2℃あるいは0℃超2℃以下としてもよい。
【0045】
次に、図3に示した本発明の方法を用いた第2の補足的な試験として、無電極ランプ1の光強度を異ならせた光異性化試験を行った。なお、無電極ランプ1の光強度を異ならせるためには、マイクロ波の出力や放電ガス3の混合比や封入圧力等を調整すればよい。
【0046】
そして、この試験の結果は図7に示すようになった。
【0047】
図7に示すように、440W/cm、220W/cmおよび110W/cmの各光強度の中で、ウロカニン酸水溶液の迅速な光異性化に最適な光強度は440W/cmであることが分かる。このことから、無電極ランプ1の紫外線の光強度を強くすれば、より迅速な光異性化を実現することができるといえる。
【0048】
次に、図3に示した本発明の方法を用いた第3の補足的な試験として、ウロカニン酸水溶液の流速を異ならせた光異性化試験を行った。ただし、無電極ランプ1の光強度は一定とした。そして、この試験の結果は図8に示すようになった。
【0049】
図8に示すように、流速を2倍にしても光異性化の速度に大きな変化はないことが分かる。
【0050】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々変更することができる。
【0051】
例えば、ウロカニン酸水溶液の温度を光異性化の促進に適した所定温度に制御できるのであれば、図3に示したような無電極ランプ1を用いたウロカニン酸水溶液の冷却(温度制御)をともなう光異性化に限定する必要はなく、無電極ランプ1以外の紫外線光源(例えば、水銀ランプ等)を用いて光異性化を行うようにしてもよい。この場合には、ウロカニン酸水溶液を反応容器内に収容して、その外側に紫外線光源を配置してもよいし、ウロカニン酸水溶液を循環流路内において循環させて、循環流路上の所定の位置の外側に紫外線光源を配置してもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 無電極ランプ
2 密閉容器
3 ガス
4 ウロカニン酸水溶液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉容器内にマイクロ波が照射されることによって紫外線を発光するガスが封入された前記紫外線を全方位に向けて出射する無電極の紫外線光源を、ビニルイミダゾール類の水溶液中に配置し、前記水溶液中の前記紫外線光源に対して前記水溶液の外部からマイクロ波を照射することにより、前記ビニルイミダゾール類を、前記紫外線光源から出射される紫外線によって光異性化することを特徴とするビニルイミダゾール類の光異性化方法。
【請求項2】
前記紫外線光源を前記水溶液とともに反応容器内に収容した第1の環境または前記水溶液を循環流路内において循環させるとともに前記紫外線光源を前記循環流路内の所定の光源配置位置に配置した第2の環境の下で、前記水溶液に対する前記紫外線光源を用いた紫外線の照射を行うことを特徴とする請求項1に記載のビニルイミダゾール類の光異性化方法。
【請求項3】
前記第2の環境の下で前記水溶液に対する前記紫外線の照射を行う場合に、前記光源配置位置における前記水溶液の温度が前記ビニルイミダゾール類の光異性化の促進に適した所定温度になるように前記水溶液を所定の冷却位置において冷却することを特徴とする請求項2に記載のビニルイミダゾール類の光異性化方法。
【請求項4】
前記密閉容器の形状を、球状、楕円球状、カプセル形状、棒状または平板状に形成することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のビニルイミダゾール類の光異性化方法。
【請求項5】
ビニルイミダゾール類の水溶液を紫外線照射による前記ビニルイミダゾール類の光異性化の促進に適した所定温度に制御しつつ、前記水溶液に対して紫外線光源を用いて紫外線を照射することを特徴とするビニルイミダゾール類の光異性化方法。
【請求項6】
前記ビニルイミダゾール類は、次の構造式
【化1】

で示されるイミダゾールアクリル酸誘導体であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のビニルイミダゾール類の光異性化方法。
【請求項7】
前記ビニルイミダゾール類は、ウロカニン酸のトランス体であり、前記光異性化によってウロカニン酸のシス体を得ることを特徴とする請求項6に記載のビニルイミダゾール類の光異性化方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−236181(P2011−236181A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−111168(P2010−111168)
【出願日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【出願人】(500187395)
【出願人】(598069939)
【出願人】(508059487)アクテイブ株式会社 (5)